芸術の秋がやってきました! 文化系イベントなども増えて、作品展や演奏会などの準備で忙しい人も多いかも知れません。今回は、イベント告知のチラシ作りに挑戦してみようと思います!
●モノクロ印刷のチラシ
最近のチラシはフルカラー印刷のものが多いですが、作品の準備に忙しくて時間や手間などあまり掛けられない…という時は、コピー機を使ったモノクロ印刷を利用してみましょう。
●用意するのは…
・A4用紙(作例ではコピー用紙を使用しています)
・鉛筆、またはシャープペンシル
・消しゴム
・マーカーペン(黒)
・修正テープ
・のり(テープタイプがオススメ)
デザインに枠や罫線を用いる場合は大きめの定規、他にも蛍光ペンや方眼ノートなどはデザイン案のコンテを描く際にあると便利です。
●チラシ作りにおすすめマーカーペン
モノクロで印刷するので、コピーしたときに書いたものがかすれないように、均一でコントラストもしっかり付くような黒の線・塗りにするのがポイント。
今回使用するのは油性ペンの『モノツイン』。染料インクでくっきり・しっかり書くことが出来ます。
ペン先はツインタイプで、細字・太字を1本で使い分けることができます。また、太さも「太/細」、「細/極細」の2タイプあるので、2本を組み合わせれば、紙面中の大小さまざまな文字はもちろん、線や塗りの表現にも広く対応できます。
それでは、制作に入りましょう!
お題は(架空の)アートサークル「FUN ARTクラブ」の10月から開催の作品展。ポスターとしてA4サイズに印刷予定。A5サイズなどに縮小したものをチラシとして配布予定です。
●デザイン案を考える
まずは紙面のデザインを決めます。小さめで構いませんので、デザインのコンセプトを考えながら、ノートなどに紙面をイメージしたコンテを描いてみましょう。難しく感じるときは、縦書きバージョン、横書きバージョンといった感じで、ざっくりしたものを2〜3案描き出してみると方向性が決めやすいです。
ここでは作品展があることを特に告知したいので、「作品展」という文字がひときわ目立つデザインを考えています。
■デザインに盛り込む情報を整理する
デザインに方向性が見えてきたら、盛り込む情報を整理します。現時点でこのチラシで伝えたいことをリストにすると、
・タイトル
・開催時期
・会場名
・展示内容の説明文
・参加メンバー
・会場へのアクセス
になるので、
それらをもとに、各項目を見立てた四角や丸の枠を描いて、紙面での位置やスペースの配分を決めていくと、バランスが取りやすくなります。もし上記以外に後から要素を追加する可能性がある場合は、スペースに余裕を持って配置させておくと、入れる際の配置調整が少なくて済みます。
タイトルはつい1行に収めたくなりますが、字数が長いときは、紙面の幅によって文字が小さくなってしまうので、2、3行に分けて文字をできるだけ大きくする。
■構成やデザイン考えるときのコツ
もし悩んでしまったら、まずは主題(ここではタイトル)の位置と大きさを決めてしまいましょう。配置例もいくつか紹介します。
●チラシに入れる情報を細かくレイアウトしていく
デザインが決まったら、チラシに盛り込む情報を確定させ、レイアウトを仕上げます。内容などもしっかり書き込んでおけば、下絵を描く際に作業がスムーズになります。また、タイトルや見出しの文字デザイン(フォント)も決めておくと、仕上がりの雰囲気も分かりますね。
※手書き文字や装飾の描き方は、過去の記事→【ノートをデザインしよう!(タイトル・文字デコレーション編)】、地図の描き方は【イラストマップを描いてみよう!】などでも紹介しているので、参考にしてみてください!
ここでいったん、情報漏れなどのミスがないかを確認しておく。
●下絵を描く
描けたデザインレイアウトを見ながら、下絵を描きます。線は細く薄めに描いておくと、清書後に消しやすくなります。文章などは清書の前に誤字脱字がないか、下絵の段階でチェックしておきましょう。
余ったスペースには、チラシのテーマにちなんだイラストなどを入れると、人目に付きやすいだけでなく、チラシの内容もより伝わりやすく、文字情報が多い時には紙面の印象も和らぎます。
あしらいイラストの描き方は【〝ちょこっとイラスト〟を描いてみよう!】という記事などでも紹介しています。
●マーカーで清書
下絵が描けたら、いよいよ清書。デザインのイメージに合わせて、細字と太字を使い分けながら描いてきましょう。
※描いている紙が薄く、裏写りしそうなときは下に余った紙などを引いて描きましょう。
塗りの部分は下絵の線を消してから塗るので、広めの塗りの部分は細字側で輪郭だけ描いておきます。
インクがしっかり乾いたら、下絵の線を消します。完成までもう一息。
下絵を消して、輪郭の内側も塗りつぶしました。
●はみ出た線や、文字の書き損じなどを修正して仕上げ
もし、書き損じなどがあったときは、修正テープを使って手直しましょう。修正テープの『モノ』シリーズには様々なテープ幅があるので、文字修正などには幅広タイプ、イラストや罫線のはみ出たところなどには極細タイプといった感じで、修正箇所に合わせて使い分けると、より細かく、丁寧な修正ができます。
●切り貼りで差し替えれば作業もカンタンに
書く項目や字数が多かったり、印刷直前まで情報が確定しない場合は、スペースだけ確保しおいて、別の紙に書いたものをのりで貼り付ければ、修正などの作業の負担が軽減されます。テープのりなら、貼り付けた部分がシワになりにくく、印刷の際にも目立ちません。また、貼ってはがせるタイプで貼っておくと、更なる修正・差し替えにも対応できて安心ですね。
参加メンバー・出展予定リストの箇所を切り貼りで対応しました。これなら直前に変更があっても大丈夫。ここでは仮止めに使える「タックテープ」タイプを利用しています。
イラストを切り貼りして空きスペースを埋める時にもテープのりを使います。貼ったすぐ後なら貼り直しができる「リトライ」タイプを使えば、位置の微調整もできます。
●さいごに
描けた原版をコンビニのコピー機で印刷するとこんな感じに仕上がりました!
左側が原版、右がコピー機で印刷したもの。A4サイズ印刷です。
2面付け印刷するとこんな感じ(A4サイズ)。これを半分に切ってチラシにします。右側はさらに2面付け印刷して4面にしてみました。ペンでくっきり書いているので、小さい文字もかすれずにしっかり印刷できています。
コピー機によっては単色カラーという印刷もできたりします。どれも同じ原版を使って印刷していますが、カラーごとに印象も変わりますね。
切り離してチラシの完成!単色の印刷でも、工夫次第でフルカラー印刷とはまた違ったインパクトを出すこともできそうですね! もしこの秋、チラシを作る機会があったら、試してみてくださいね!