ペットや動物のイラストは見るのも描くのも楽しいですよね。
猫ちゃんの描き方(How To Paint with Tombow ABT [CAT ILLUSTRATION])に続いて、今回は、ワンちゃんのイラストに挑戦してみたいと思います。
ご紹介する描き方は、線を描いてから着色する方法です。線を描くのは耐水性インクを使用したペン、着色は水彩インクを用いたマーカーがオススメ。
記事中のサンプル作品は、線を筆文字サインペン『筆之助』、着色には水性マーカーの『ABT』や色鉛筆などを組み合わせて使っています。
『筆之助』は線にメリハリがつけやすく、ワンちゃんの毛並みの表現にも最適。『ABT』はワンちゃんの毛並みに多いグレーやブラウン系カラーも豊富。さらに水筆やブレンダーでなじませたり、色鉛筆のちゃいろ系と組み合わせるとさらに表現が広がります。
●正面の似顔絵を描いてみよう
描きやすい正面の顔の絵からトライしてみましょう。まずは鉛筆やシャープペンシルで下絵を描きます。頭の輪郭から描きはじめると似顔絵全体のバランスがとりやすいです。続いて耳を描き加えます。頭のどの位置にどのような感じでついているかを観察しながら描いてみましょう。これがわんちゃんの顔の輪郭となります。
描けた輪郭に鼻の位置を決めてみましょう。そして、その鼻の位置を目安に目を描き加えます。この目鼻の位置関係で表情が大きく変わるので、うまくいかない時は消しゴムで修正しながら試行錯誤してみてください! 下絵が描けたらインクペンで清書していきます。描いたインクが十分に乾いたら、消しゴムで下絵の線を丁寧に消して完成。
実際のワンちゃんを観察しながら、輪郭は六角形、耳は三角形…などといったシンプルな形としてとらえていくと、特徴がつかみやすくなりますよ。
耳の描き方も重要なポイント!
立ち耳、垂れ耳、折れ耳など特徴を探してみよう。
長めのワイヤーヘアーのワンちゃんは輪郭を捉えるのはちょっと難しい。毛の長さや量をパーツにわけて、大まかなシルエットをとらえていこう。
顔が描けたら、首の方まで描き加えてみよう。首の幅や肩までのカーブで印象がグッと変わります。
●横顔を描いてみよう
正面が慣れてきたら今度は横顔。横顔のシルエットの個性もワンちゃんの魅力の一つですよね。サッと一筆で輪郭を描いてしまえればベストですが、なかなかうまくいかないときは、頭・鼻・耳といった形状を組み合わせるように描いてみると、とらえやすくなります。
ワンちゃんによって、頭のてっぺんが丸まっていたり、まっすぐとしていたり様々。そのあたりの特徴をつかむと、より雰囲気が似てきますよ。
口元は横顔の表情を決める要素のひとつ。鼻や唇などの角度や位置を観察してみよう。
●体全体も描いてみよう
全体を一度に描ききろうとすると、頭が実際よりも大きすぎたり、胴が短くなってしまったり…と、なかなか難しいですよね。頭から首・肩、足や胴体、しっぽなど、体のそれぞれの部分を分けてイメージしつつ、各部分の繋がりを考えて描いていくとバランスが取りやすいですよ。例えば、首に対して頭はどのくらいの大きさか、肩の位置は腰の高さのどのくらいの位置にあるか、胸は前足のどのくらいの位置にあるか、などのように。それでは、比較的描きやすい横向きのポーズから始めて見ましょう!
毛の長いワンちゃんは、まず、体のシルエットを想像しながら描き、体の形状に合わせて毛並みを描き加えると自然な毛並みにしやすいです。
足の長さや首の太さも意識しながら、描いてみましょう。足のついている地面の線を目安に描いておくとバランスが取りやすくなります
●慣れてきたら正面の姿や斜めポーズにも挑戦。
前足と後ろ足の位置を立体的に表現するのがちょっと難しいですが、頭の位置を決めて、胸と腰の前後を意識しながら描くと、描きやすくなります。筆圧(手前側を太くしっかり、後ろ側を弱くラフに描く)などで表現してみるのも◎
●ストローク(線の描き方)で毛並みを描き分けてみよう
ワンちゃんの輪郭をとらえるのに慣れてきたら、線の描き方で毛並みなどを表現してみましょう。
線を描くときに、微かに揺らしたり、強弱をつけたりすることで、短毛、長毛、ソフト、ワイヤー、カーリーなど様々な毛質のニュアンスが出せます。
筆之助のイラストタッチについてはこちらの記事(筆之助で、コミック風タッチを楽しもう!)に詳しくあります。
●瞳の描き方で、表情を豊かにしてみよう
瞳の表現で、わんちゃんの表情もさらに豊かに!まぶたや目尻、目元の特徴をとらえて、ワンちゃんの感情を表現してみるのも楽しいですね。
●着色に挑戦!
描けたワンちゃんに色を塗ってみましょう。単色でフラットに塗るのももちろんオッケーですが、毛並みや毛色を工夫しながら表現してみると、似顔絵のオリジナリティや描く楽しさがよりアップします!
今回は水彩マーカーの『ABT』、『水筆』と色鉛筆などを組み合わせた塗り方を紹介したいと思います。ABTはグレー、ブラウン、ベージュ系のカラーも多く揃えているので、ワンちゃんのカラーリングにも最適です。
『ABT』、『水筆』の詳しい使い方はこちらの記事(『ABT』と『ウォーターブラッシュ』で水彩風イラストを描こう)にあります。
●まずは顔の塗り方から
●体全体の毛並みを表現してみよう
●似顔絵をカードにしてみよう
名刺サイズやポストカードサイズの画用紙に描いてみたり、わんちゃんのまわりにお気に入りアイテムをちりばめてみるのも楽しいですよ!できた作品はプレゼントなどにも最適。
余白にレタリングでメッセージを入れたりするのも◎。
■貼り絵風にしてみる
白以外の画用紙に描いてみたり、切り貼りしてコラージュ風にすればさらに表現が広がります。別の紙に『ABT』や『プレイカラードット』で模様を描いて切り抜きピットのりで貼り付けてみました。お気に入りのお散歩ウェアを描いて着せてみるのも。
■お出かけの楽しい思い出にも!
お出かけやお散歩好きのワンちゃんなら、似顔絵にあわせて風景を描いてみると思い出にもなりそうですね。
筆之助で線を描き、色辞典の「24色おでかけセット」で着色してみました。風景画の表現に最適なカラーセットなので、絵はがきにして送ってみるのも楽しいかも知れませんね。
●ワンちゃんの似顔絵をより身近に
ふせんやメッセージカードに描いてレタリングと組み合わせれば、イラストだけでなく、レタリングの楽しさも更にUP!
レタリングは得意だけど、やっぱりまだちょっと描くのは難しいな、、という方にはテンプレートを用意しているので、そちらを利用してみてください!
テンプレートの詳しい使い方などは、「筆之助で、コミック風タッチを楽しもう!」の後半にありますので参考にしてみてください。
●塗り絵でコラージュしても楽しい
グッズのテンプレートはプリントアウトして色を塗ったものを切り抜いて、描いたわんちゃんとコラージュするのも。
●さいごに
ワンちゃんに限らず、似顔絵を描くのに慣れないうちは、いきなりそっくり上手に描こうと思うと、なかなか大変。まずは対象をじっくり観察し、その子の持つ素敵な特徴を感じ取りながら描くようにしてみてください。喜んでいるときの口元や目元、耳、しっぽ、ちょっとした模様ひとつでも構いません。
そして描けたものを見直してみて「なんかちょっと違うな」と感じてしまうこともありますが、ガッカリしなくても大丈夫、描いた絵がまだまだ良くなるサイン。
また観察をしてみて、描けたものと何が・どこが違うかを見比べながら修正を加えていけば、似顔絵の精度がどんどん上がっていきますよ!
・ワンちゃんの色塗りサンプル01(ダウンロード)
・ワンちゃんの色塗りサンプル02(ダウンロード)
・ワンちゃんの色塗りサンプル03(ダウンロード)
・ワンちゃんの色塗りサンプル04(ダウンロード)
●ふせんイラスト用テンプレート
・ふせんイラスト用テンプレート(PDFファイルダウンロード)
・コラージュイラスト用テンプレート(PDFファイルダウンロード)
印刷はプリンタ―・コピー機各種の使用方法に沿って行ってください。テンプレートは、記事内で紹介した画材を利用しながら、個人やコミュニティで楽しむ範囲での使用を目的としたものになります。