
今回は動物園にいる人気のどうぶつたちの描き方をご紹介します!
顔は描けるけど、全身までは思うように描けない…という人にも役立つ方法もお伝えしますね。
●コツは全体のバランス
たとえばキリンは首が長く、カバは口が大きく、ゾウには長い鼻…といった感じで、
それぞれに個性的な特徴がありますが、他の体の部位との比率を合わせずに描いてしまうと、
そこだけ強調され過ぎて、バランスが悪くなってしまいます。
まずは頭、胴体、足を大まかに描いて、そのどうぶつのからだ全体のバランスを整えていきましょう。

作例としてトラのイラストを描いてみます。
作画の流れは、以下のような4つのステップになります。

STEP❶ 各部位の大まかな大きさを決める
はじめに頭と胴体、足の大まかな位置や大きさを決めます。
下絵を描くための目印の段階なので、頭→丸、胴体→四角、足→線、といったざっくりとしたもので大丈夫です。
これが全身のベースとなります。
- ↑修正や微調整がしやすいように、鉛筆やシャープペンシルで薄く描く
<参考>各部位の大きさや距離はどうぶつによって異なります。首や足を長めにすると、ウマやキリンのようなどうぶつに、首や足が太ければクマなどのイメージに近づきますね。カバやサイなどは頭を大きめに。

STEP❷ ベースの線に厚みを付ける
ステップ1で描いたベースを目安に体の厚みを付けていきます。
トラはがっちりとした体型なので首や足などはちょっと太めに。

大まかな形が描けました。
バランスがうまく取れていると、この時点でもそのどうぶつの雰囲気が少し出てくると思います。
もし、しっくり来ない時はそれぞれの長さや大きさを変えながら調整してきましょう。
STEP❸ つま先やお尻のラインなどを描き加え、形を整えていく
2で描いたものにさらに描き加えていきます。だいぶトラのシルエットになってきましたね。

STEP❹ 顔やしっぽなど細かい部分を描き加えていく
ベースとなる全身のシルエットが整っていると、
細部を描き込んでも全体のバランスが崩れにくく、描き込みも楽に進めることが出来ます。

これで下絵が完成しました。いよいよペンで線を清書します。
●線を清書して色を塗って仕上げ
下絵をもとにペンで線を清書します。
彩色は色鉛筆でする予定なので、メリハリのついた黒い線が描ける油性タイプのペンを使いました。
- ↑トラ柄は色鉛筆で描き加えるのでここでは入れていません。
- ↑下絵の線を消したら彩色してみましょう
インクがしっかり乾いたら、下絵の線を丁寧に消して、色鉛筆で塗っていきます。
色を塗り重ねるときは明るい(薄い)色から塗っていきます。
最後に色鉛筆のくろでトラ柄を描きます。
- ↑イラストが完成しました!
■同様にライオンも描いてみる
この手順でライオンも描いてみました。
たてがみがあるので、頭の部分の丸をトラよりもひとまわりくらい大きい比率で描きます。

●<応用>清書描きに使うペンは、彩色と仕上げの手法で選ぼう
水性マーカーで彩色する場合は、
主線に耐水性タイプのペンを使うと、線が滲まずきれいに仕上げることができます。

●いろいろなどうぶつたちを描いてみよう
この手順を使って他のどうぶつたちも同様に描くことができます。
いくつかご紹介しますので参考にしてみてください!

色もそのどうぶつの特徴を表すのに重要なポイント。
毛並みの色や皮膚の質感を彩色で表現してみましょう。再現度がさらにアップします!
最後に色塗りのテクニックを紹介します。

●彩色テクニック集
色鉛筆と水性マーカーを組み合わせたり、筆芯のしなりを使ったりして、
羽毛の柔らかさや、複雑な縞模様など再現してみましょう。
■その1 水性マーカーと色鉛筆を組み合わせた毛並みの表現

毛並みが特徴的などうぶつの彩色に有効です。
まずベースとなる淡いカラーを水性マーカーで塗り、インクが乾いたら上から色鉛筆で毛並みを細かく描き込んでいきます。
色鉛筆の線が水性マーカーの塗りとなじむことで、より滑らかなグラデーションとなります。
■その2 縞などの模様はマーカーの筆芯で描き込む

筆芯を使えば、線の太さを自在に付けられるので、
シマウマやトラのような模様も簡単に描くことができます。
■その3 黒の部分は濃いめのグレーで塗る

毛並みの黒い部分は濃い目のグレーで塗ると、輪郭の黒の線と同化せずに済みます。
色鉛筆のくろで塗る場合は、筆圧を少し弱めて黒さを調節してみましょう。
■その4 キリンの模様は格子の枠を先に描くと描きやすい

キリンの格子のような柄模様は、一つ一つブチを描いて塗っていくのは大変なので、
先に格子の枠を描くと効率よく描くことができます。
●さいごに
どうぶつの種類によっても描く難易度は違いますが、お気に入りのものから挑戦していくのがオススメ。
普段見慣れているどうぶつでも、じっくり観察しながら新たに気づいた特徴をさらに盛り込んでみましょう。
背中やおしりのライン、足の関節の具合など、細かな部分でも描き分けることによって、いっそう表情豊かになっていくと思います!
