こんにちは。
イラストレーターのカラシソエルです。
前回の記事(「ABT水彩で描く秋」)に続き、今回は冬をテーマにABTでイラストを描いてみようと思います。
イラストのモチーフは雪の結晶です。
冷たくて透き通るような色味を選んで描いてみましょう!
●使う道具
1. 絵の具用パレット
白くて色が見えやすく、ABTのインクの乗りが良いのでおすすめです。
クリアファイルでも代用できます。
2. キッチンペーパー
筆を拭くとき吸水量が多いので使いやすいです。ティッシュでも代用できます。
3. 画用紙
水をたっぷり使うときは水に強い水彩用がおすすめ。
ブロックタイプの水彩紙はたわみにくく使いやすいです。
4. ABT
515 / N60 / 803 / 555 / 606
5. 水筆
TOMBOW WATER BRUSH 中筆
● インクを用意する
まずはインクを用意します。
ABTのブラシの方でパレットにインクを塗ります。
515とN60がメインの色になるので大きめに塗ります。803、555、606は色の調整用になるので少なめで大丈夫です。
今回は氷の結晶を描くのでインクはかなり薄めて使います。
濃い色だとずっしり重そうに見えてしまうので、水を多めに混ぜて淡い色を作ります。
試し塗り用の紙を用意して、色の濃さを確認しながら進めましょう。
● 雪の結晶の形
最初に雪の結晶の形について簡単に解説します。
基本系は六角形です。図のように*(アスタリスク)の形を描いてそこから派生していくと描きやすいのでおすすめです。
枝っぽく伸びるものや、小さな六角形がついたものでバリエーションを作れます。
● 簡単な結晶を描いてみる
515とN60を混ぜブルーグレーを作り、それを多めの水で薄めます。
後から色味は追加できるのでかなり薄めの色でOKです。
ちょうど良い色が作れたら基本形の*(アスタリスク)の形を描きます。
*(アスタリスク)の線を繋いで六角形を描きます。
各枝の先端に小さな六角形を描きます。
筆の水気がなくなってきたら先ほど作ったインクをまた吸わせて、たっぷり湿った状態で描きましょう。
筆をキッチンペーパーで軽く拭いて綺麗にしたら、803を少しだけ筆先につけて結晶にちょんちょんと色を置いていきます。
結晶がしっかり湿っていれば自然にグラデーションになるのであまり塗りつける必要はありません。
あとは好みで555や606を追加してもOKです。
●違う形の結晶を描いてみる
次は先ほどと違う形の結晶を描いてみます。
色は555とN60を薄めたインクがベースです。
基本の*(アスタリスク)を描いたら中心を塗りつぶします。丸ではなく六角形を意識して塗りつぶすと結晶らしくなります。
筆で803や606、515など別の色のインクを拾いながら枝先に六角形を描き足します。
水気がしっかりあると色が自然に馴染みます。
六角形は隙間を残しながら塗ると氷の艶感が出せます。
枝の中間からさらに枝を増やしてみます。
下記のポイントに気をつけて描くと氷の結晶らしくなります。
• しっかり水気を持たせた筆で描く
• 角度は枝先の六角形に沿うように
• 中心側は長く、先端側は少し短く
●複雑な形の結晶を描いてみる
最後に少し複雑な結晶に挑戦してみます。
細かすぎると描きずらいので大きめに描きましょう。
基本の*(アスタリスク)は描かずに、515とN60を薄めた色で六角形を描きます。
筆を拭いたら803や606を少しだけ足して色をグラデーションさせます。
同じ要領で内側にもう一つ六角形を描きます。
次に外側の六角形から枝を生やしていきます。
枝先に小さな六角形を描き足します。小さいので丸っぽくなってしまってもOKです。
艶感が残るよう中心には少し塗り残しを作ります。
小さい六角形の角にさらに小さな六角形(のイメージでOKです)の飾りをつけます。
筆の水気がなくなってインクを足すときに、他の色を混ぜてグラデーションを作ります。
小さい六角形の下に枝を追加します。
中心の六角形の中に色を塗ります。
中心に白い*(アスタリスク)があるような感じで塗ってみます。
803や606を混ぜながら単調にならないようにします。
内側と外側の六角形を細い線で繋ぎます。
●結晶の完成
こんな感じで結晶が完成しました!
●脇役結晶の追加
雪が降っている感じにするため、細かな雪を足していきます。
515とN60を薄めた色をベースにします。
濃くなると雪っぽくなくなるのでかなり薄めて描きましょう。
803や606を混ぜて色も少しずつ変えながら描きます。
形は*(アスタリスク)と丸を描いています。
●完成
寒いけど綺麗な冬のイラストが完成しました!
冷たそうな色のグラデーションが綺麗です。
●まとめ
ABTの水彩も薄い色で描くと透明感が出せるので雪の結晶にぴったりの画材でした。
今回は寒色をメインに使いましたが、冷たそうでない色で描いても楽しそうです。
みなさんもぜひ試してみてください!