レポートやプレゼン資料、お便りなどの配布物を作っていると、デザインや構成に迷って、なかなかうまくまとまらない時がありますよね。今回は、そんな時に役立ちそうなノート・紙面のデザインアイディアをご紹介したいと思います。楽しく効果的に文書やノートをデザインしてみましょう!
●枠や帯を入れるだけでも紙面を整理できる。
「デザイン」と言ってしまうと身構えてしまうかもしれませんが、タイトルや見出しに地色をつけたり、重要な項目を枠囲みにすることだけでもデザイン性は上がり、内容もいっそう分かりやすくなります。シャープペンシル(2B)で書いた文字に各種水性カラーペンを使った装飾デザインをご紹介していきます。
・蛍光ペンで簡単シンプルなデザイン
まず紹介するのは、蛍光マーカーの太芯で描くオビ状のデザインと、細芯を使った囲み枠。蛍光ペンならではのビビッドなカラーが見出しを目立たせます。複数の色を使えば「メイン項目には暖色」、「サブ項目にはブルー系」などといった色分けでさらにわかりやすくできます。「蛍コート」を使ったデザイン例を見ていきましょう!
・『プレイカラー』を使ってデザイン度プラス
オビや囲みだけでは、紙面が単調になってしまうと感じたら、水性マーキングペンを使ってオビのデザインに少しこだわってみます。
水性カラーサインペンの『プレイカラーK』と『プレイカラー2』はどちらも細芯と太芯のツインタイプで、枠の太さを描き分けたり、組み合わせることができます。さらに全36色をラインナップしているので、紙面をカラフルにデザインしたい派にはオススメ。
・『プレイカラー ドット』でポップなデザインに
ドット型のスタンプ芯を備えた『プレイカラードット』。全12色のカラフルなドットで見出しやタイトルをデコレーションすることができます。押したスタンプ芯をそのままスライドさせれば、丸デザインのオビも描けます。
・『ABT』のブラッシュ芯を利用!
イラストやレタリングにも使われるツインタイプのグラフィックマーカー『ABT』。太芯側はブラッシュ芯となっているので、太くて強弱のついた描き味で紙面を装飾することができます。
・定規を使おう!
枠はついついフリーハンドで描きがちですが、定規を使うと、線もすっきり、角度やバランスもよくなり紙面がひきしまります。使用する定規は紙面の上で取り回しのしやすい短め(ノートの大きさ内に収まるサイズ)のものが便利です。
・テンプレート定規を使って効率アップ!
定規やコンパスを使えばキレイに描けるけれど、作図の数が多い場合は、手間も時間もかかってしまうのが悩みどころ。そんなときは〝テンプレート定規〟を利用してみましょう。テンプレート定規とは、四角や丸などの図形が切り抜かれたプレートです。その中から好みの図形を選び、ペンを溝に沿わせることでその形を紙に写し取ります。製図などの専門分野で使うような本格的なものから、手帳デコ用のグラフィカルなもの、レジャー用の簡易的なものまで様々ありますので、用途などに合わせて選んでみてくださいね。
■テンプレートを使った図形の描き方
水性ペンを使い、ベーシックなタイプのテンプレートでの作図を練習してみましょう。ペンの特性を生かすと、より効果的な作図ができます。
まずは線の描き方のコツです。定規やテンプレートに傾斜や段差がついているものは、出っ張っている側を上にして線を描きます。そうすることによって、描いた部分のインクのにじみを防止できます。
<基本>『ABT』を使って丸を描く
ABTのブラッシュ芯は広い面積を均一に塗ることができるので、フラットな塗りや、大きめな図形を描くときに活躍します。まず細芯で図形の外側を描き、内側をブラッシュ芯で塗りつぶします。シャープな仕上がりになりますね。
ABTはインクが裏写りしにくいのでノートのような筆記用紙にも使いやすいです。下図の様に少し厚めの用紙なら、濃い色でしっかり塗ってもほとんど写りませんでした。
<基本>『プレイカラー』を使って小さい図形を描く
プレイカラーKの細芯側は0.3ミリと極細タイプ。テンプレートの中の小さい図形を描くのに向いています。細芯で外側を描いたら、内側を太芯で塗りつぶしてみましょう。
<応用>楕円や六角形のテンプレートを使って吹き出しを描く
今度は図形の形を利用して、吹き出しを描いてみましょう。フリーハンドで描くのが苦手な人でも、テンプレートを使えば、吹き出しもササッと描けそうですね!
●<お手入れ>テンプレートの縁についたインクを拭き取ろう
図形を描くときに芯部分がテンプレートに直接当たってしまう場合は、綿棒などで付着したインクを拭き取りましょう。そうすることによって、別の色のペンを使った時に付着していたインクが混ざるのを防ぐことができます。インクが乾いて取りにくい場合は、綿棒を少しだけ湿らせます。
●さまざまなテンプレート
図形の他に文字や記号・プチイラストが描けるテンプレートなどもあります。これらのテンプレートは溝が細く、形状も複雑なものが多いので、ペン先が細いものを使います。
プレイカラーKの超極細芯(0.3ミリ)なら、プチイラストのような細かいテンプレートにも使えます。
・『モノグラフライト』なら油性ボールペンでテンプレートも描きやすい
従来型のボールペンのペン先はやや太めのため、テンプレートで図形を描くのはちょっと苦手でしたが、この『モノグラフライト』が採用している「ロングニードルチップ」というペン先なら、筆記面も見やすく、テンプレートの溝にも滑らかに動かすことができます。
●<発展>テンプレートを使って〝ちょこっとイラスト〟を描いてみよう。
テンプレートで図形を描くのに慣れてきたら、それらをベースにイラストを描いてみましょう。シンプルなイラストですが、紙面の空きスペースなどに挿絵として入れれば、紙面が楽しげになりそうですね。正円を利用した描き方を順を追って説明します。
こんどは太芯をベースにして描いてみましょう。
正円以外にも、楕円や六角形を使えば、さらに色々なイラストも描けます。
細芯とブラッシュ芯を使ってABTでも描いてみましょう!
さまざまな形を組み合わせれば、少し複雑なイラストも描くことも出来ます。図形だけでなく、円のカーブや多角形の辺なども部分的に利用して表現の幅を広げてみましょう!
●色々なモチーフを描いてみよう
下図のイラストは記事中の<基本>の項で使用したテンプレートと直定規を使って描いています。この記事巻末の付録にて描き方例もを紹介しているので、自分の好きなモチーフを描くときの参考にしてみてくださいね。
●身の回りにあるものを利用してみよう
身の回りには、テンプレート定規にないようなユニークな図形もたくさんあります。それらを紙の上に置いて、ペンでなぞって作図してみるのも楽しいですよ。使用済みの容器やキャップ、商品タグなどは廃棄してしまう前に、ちょっと試してみると意外な発見があったり、デザインツールとしてリサイクル出来るかも知れませんね。
・台紙やタグをなぞりやすくするコツ
手で押さえながらペンでオブジェをなぞろうとすると、滑ってしまったり、持ち替えたときにズレてしまうことも。そんなときは、のりの「仮止め」機能を利用しましょう。なぞり取るものが厚紙なら、貼ってはがせるタイプのテープのり『ピットタック』をほんのちょっと貼るだけで滑り止めになります。また、コーティングされている紙や、プラスチック製品など紙以外の素材の場合は、液体のり『ピットマルチ』の仮止め機能を使います。
個性的な飾り枠を描くことができました!デザインに遊びを入れたいときに重宝しそうですね。
※水性ペンや鉛筆などでの使用を前提にしていますが、使用の際は、ペンのインクなどが付着しても問題のないもの、先端や縁などが鋭利でないものを選んでください。厚紙、木製品、カップやフタなどといった、通常の使用で手にしていても怪我をしないようなものを目安にしてください。
色々なペンや製図道具を使って、見出しや飾り枠をデザインしていくと、紙面の構成もぐっと見やすく、分かりやすくなっていきますね! 次回はページ全体のデザインに個性を加えられそうな、タイトル・文字デコレーションなどのデザインアイディアをご紹介したいと思います!
●付録 テンプレートをつかったちょこっとイラスト
・アイテムイラスト
・いきものイラスト
・のりものイラスト
・たべものイラスト