こんにちは!
イラストレーターのサラ・ガリーです。
今日は、水性マーカー「ABT」を使って、自由な色で動物を描いてみますよ。
みなさんも一緒に楽しんでみてください!
はじめる前に
描きはじめる前に、この記事を書く発想をくれたある絵本をご紹介します。
タイトルは「The artist who painted a blue horse (青い馬の絵を描いたアーティスト)」。
作者は「はらぺこあおむし」で有名なエリック・カールさんです。
「I am an artist (僕はアーティスト)」
と、少年がカラフルな動物の絵をたくさん描いていきます。
青い馬、ピンクのウサギ、紫のキツネ、黒い白熊…。
「I am a good artist (僕はいいアーティスト)」
描き上がった絵をみて、少年は胸を張ります。
この絵本は、フランツ・マルクさんに捧げられています。
フランツ・マルクさんは、20世紀初期に活躍したドイツの画家です。
動物を愛し、青い馬や黄色い牛など、鮮やかな色彩を用いて、生命感あふれる動物の絵を描かれました。
第二次世界大戦中のドイツで少年時代を過ごされたエリック・カールさんは、ある日、フランツ・マルクさんをはじめとする抽象画の巨匠たちの絵を目にします。
当時それらはナチスにより「退廃芸術」として禁止されていましたが、美術の先生が、こっそりとエリックさんに見せてくれたのです。
現実にはありえない色彩や大胆なタッチで描かれた絵をみてびっくりしたエリックさんは、
その後、
子どもたちは自由に、喜びに溢れて絵を描くべきなのだ
と確信します。
それから70年後。
エリックさんは、現代の、そしてこれからの子どもたちへの思いを込めて、この絵本を描かれました。
ルールに縛られないで、
好きな色で、のびのび描いていいんだよ!
そんな愛情のこもった声が、エリックさんの絵から聞こえてくるようです。
わたしはこの絵本を、生後9ヶ月の息子に毎日読んであげています。
何度も繰り返しページをめくり、きれいな色の動物たちをみながら、エリック・カールさんの自由な筆づかいに心が励まされます。
わたしもエリックさんのメッセージを息子に伝えたい…と思いながら。
…というわけで、
エリックさんとフランツ・マルクさんへの感謝の気持ちも込めて、
わたしも自由な色で動物たちを描いてみます!
では描いてみよう!
用意するもの
・コピー用紙
・画用紙
・ABT
・鉛筆
・消しゴム
・筆
・コップ
・クリアファイル
・ハサミ
・のり
エリック・カールさんとフランツ・マルクさんへのオマージュとして、わたしも馬を描くことします。
まずは図鑑をみながらスケッチします。
コピー用紙に、ABTで色を塗ります。
馬のどの部分をどんな色にするかは、まだ決めません。
ABTの2種類のペン先(筆タイプと細字タイプ)を使って、大胆に色を塗ったり、模様を描いたりしていきます。
描いた部分を水で濡らすと、水彩絵の具で描いたような仕上がりに!
クリアファイルをパレットのように使って、色を混ぜることもできますよ。
クリアファイルにABTのインクをのせると、インクがはじかれて点々模様になります。
それを紙にぽんとスタンプ! おもしろい柄ができます。
重ねれば重ねるほど、おもしろい!
気づくとすっかり夢中になっていました!
馬は茶色、という思い込みなんてどこかに消えていました。
では馬の形にカットしていきます。
ライトボックスで下書きを透かすと便利でしたよ。
(ライトボックスがない方は、下書きを濃く描いてみてください)
色で溢れた紙を見ながら、この部分は頭だな…ここは後ろ足だ!と感じるままに切っていきます。
形ができると色の印象が変わってきて、パーツを組み合わせるのがとっても楽しい!!
下書きを透かしながら、画用紙に糊付けしていきます。
目と鼻を描いて、完成です!
背景もつけました。
湖にいるところをイメージして、満月もつくりました。
完成です!
とっても楽しかったので、ゾウとウシも作ってみます!
こちらも完成!
現実にはありえない色?
そんなことどうだっていいですね!
色を塗って線を描いて、切って貼って…
完成形は最後までわからない感じで、それぞれのプロセスにどっぷり夢中になれました。
色っておもしろい!
自由ってこういう気分なんだな、エリックさんもこんなに楽しい気持ちでいつも絵を描いているんだな!
と思いました。
いかがでしたか?
好きな色で、わたしも自由に楽しもう!
そう思ってもらえたらとってもうれしいです。
ぜひ試してみてくださいね!