こんにちは。
イラストレーターのカラシソエルです。
寒い季節は家の中で過ごすことも増えますが、壁に絵を飾ると生活がパッと明るくなりますよね。
今回はABT水彩を使ってお部屋に飾るウォールアートを作ってみようと思います。
私は豆を挽いてコーヒーを淹れるのが好きなので、モチーフはコーヒー器具にしました。
水彩でざっくり形を描きそこにアクセント的に線画を追加する手順で、少し抽象的なアートを描いてみます。
●使う道具

1. 絵の具用パレット
白くて色が見えやすく、ABTのインクの乗りが良いのでおすすめです。
クリアファイルでも代用できます。
2. キッチンペーパー
筆を拭くとき吸水量が多いので使いやすいです。ティッシュでも代用できます。
3. 画用紙
水に強い水彩紙がおすすめ。
今回は最終的に額に入れるので、気軽に手に入る100円ショップの画用紙(スケッチブック)を使います。
4. ABT 947 / 899 / 879 / 526 / N15
5. 水筆 TOMBOW WATER BRUSH 中筆
普通の絵筆でもOKです。
6. ペーパーカッター(もしくは定規とカッター)
7. 水
8. ハガキサイズのフレーム
●画用紙をカットする

今回はハガキサイズ(100×148mm)でイラストを作るので、そのサイズにカットします。
定規とカッターでもOKです。
A4サイズの画用紙からハガキサイズは2枚作ることができます。
3種類の絵を描く予定なのでA4画用紙2枚をカットして、ハガキサイズを4枚用意します。
※1枚は予備です。
元々ハガキサイズの画用紙があればそれでもOKです。
●コーヒーミルを描く

まずはパレットにABTのインクを塗ります。
947、899、879を2:1:1くらいの比率で塗ります。明るい茶色多め。

今回は多めの水でインクを溶きます。
水を多く使うときは水筆内部から押し出すよりも、容器に水を用意しておいて筆につける方が使いやすいです。つまり普通の筆っぽく使います。

水容器から筆を使ってパレットに水を運ぶ要領でインクを溶いていきます。
木製のコーヒーミルの木の色をイメージして、明るい色をメインにお好みで濃い色を混ぜます。

こちらのような形を大まかに水彩で描いてみましょう。
後から線を追加するので形は崩れてもまったく問題ありません。

1. 水多めのインクで形を描く
2. パレットから暗い色のインク(899、879)を筆先に取る
3. 先ほど描いたところが乾く前にちょんちょんと色を置く
この手順で色ムラを作ります。

同じ要領で全体を描きます。

輪郭のかすれや、塗り残しがあってもいい雰囲気になるのでむしろ綺麗に描かないくらいの気持ちがおすすめです。

色が単調にならないようにところどころ濃い色を置きます。

インクが乾くとこのように仕上がります。
水やインクの量で表情が変わるのがおもしろいですね。

N15のブラシの方を使って線を追加していきます。

全体をなぞるのではなく、アクセントになるよう部分的に線を描きます。

縞模様などパターンが入るといいアクセントになります。
挽いた豆が入る引き出しなども描き足します。
ブラシは立てたり寝かせたり、筆圧を変えたりして抑揚を出しています。
習字のように肘を浮かせると扱いやすいです。

COFFEEの文字も入れてみました。

最後に道具の名前も描きます。

サインを入れるとそれっぽくなるのでおすすめです。

こんな感じで1枚目完成です!
●コーヒーサーバーを描く

これから描くサーバーの大まかな形はこんな感じです。
ミルと同じ手順で描いていきます。

サーバーはガラス製なので、輪郭を淡い色で描きます。
インクを多めの水で溶いて使いますが、濃さの確認をしてから塗るのがおすすめです。
画用紙の切れ端がちょうどよかったので試し描きしました。

輪郭を描きます。

次に溜まっているコーヒーを塗るので少し濃い色のインクを作ります。
最初から暗い色のインク(899、879)を混ぜすぎると濃淡が出にくくなくなるので、初めは947を主としたブレンドがおすすめです。

水面の光の反射を少し意識して塗り残しを作りました。
塗った部分が濡れている間に、暗い色のインク(899、879)をパレットから筆先で取り、塗り足していきます。

N15のブラシの方を使って線を追加します。
絵全体として色部分が少ないので持ち手の部分は塗りつぶしても良さそうです。

メモリ線も描くとサーバーっぽさが増します。

統一して道具の名前を入れておきます。
●コーヒーポットを描く

最後にポットを描きます。大まかな形はこちら。

全体的にインクで塗るので多めに用意しておきます。
水も多めのほうが伸びが良くなって塗りやすいです。
色は526。私のお気に入りのポットに似た色です。

ざっくりと描いたら濡れているうちにパレットの526の濃い部分を筆で取ってちょんちょん塗ります。

先ほど使った茶色系のインクもときどき筆先にまぜてちょんちょん塗ります。

少し茶色が混ざることで単調さがなくなったり、他の絵と並べた時の仲間感が出ると思います。

全体の形が塗れたらN15のブラシで線を描き足します。
持ち手も黒にしてみました。

こちらにも道具の名前を入れて完成です。
●完成!

イラスト3点が完成しました。



●飾ってみる

ウォールアートなので壁に飾ってみました。

フレームの木の色と茶色系インクの色が合っていてなかなかいい感じです。
●まとめ

今回は私が毎日使う見慣れた道具をABT水彩で描いてみました。
ABTは染料インクなので飾る場所によっては日光などで退色する場合もありますが、季節ごとにモチーフを変えて描いて飾り直すのも楽しそうですね。
ぜひ自分自身の好きなものを観察、抽象化して描いてみてください!