「紙について知ろう|vol.3 画材別おすすめの紙<水彩編>」でABTや水彩絵具を使用する場合におすすめした水彩紙。
水彩紙と一言で言ってもその素材はさまざまで水彩紙を選ぶ基準の一つとして大事なポイントです!
このシリーズでは、素材別の違いや魅力についてお話していきたいと思います。
今回はクレールフォンテーヌからこの冬発売の水彩紙「BAMBOO(バンブー)編」。
「BAMBOO」はその名の通り、竹を素材とした珍しい水彩紙。
特徴と「BAMBOO」を使ったオーナメントカードづくりをご紹介します!
・素材の違いは作品の違いになる?
素材の違いは紙の質感だけでなく、強度や毛羽立ち、乾燥の速度なども変わってくるので作品づくりに大きく影響します。
水彩紙の素材で一般的なのは木材パルプとコットン。
練習用や頻繁に使うことから比較的にお手頃価格の木材パルプ製を選んだり、大切な作品作りやにじみの綺麗さを重視してコットン製を選んだり。そのほかにも木材パルプとコットンが混合しているものや竹や麻など非木材のものなどもあります。
・近年注目されるエコフレンドリーな素材「竹」!
新発売のクレールフォンテーヌの「BAMBOO(バンブー)」は竹繊維100%を素材とした水彩紙。
竹の水彩紙?!と驚いた方も多いのではないでしょうか。
多種多様な水彩紙の中でも竹が使われているものは片手で数えられるほど。竹繊維は和紙などに多く使われ、水彩紙では珍しくさらに竹繊維100%のものは数少ないのです。
竹は成長スピードがとても早いことで知られていますが、最も早く成長する品種では1日で150cm以上も成長することが分かっています。このサイクルは木材よりもはるかに早く、持続的に栽培できるため、再生可能資源として、近年、木材パルプに代わる素材として注目されています。
※サイジング(にじみ止め加工)について、もっと詳しく知りたい方はこちらから ↓
*紙について知ろう|vol.3 画材別おすすめの紙<水彩編>:
・どんな仕上がり?「BAMBOO」で描いてみた!
「BAMBOO」の肌目はさらさらとした触り心地で、描き心地もなめらか。
そのきめ細やかさから細かいタッチや鮮やかな色合いを表現でき、耐久性に優れている表面は繰り返しの水濡れや摩擦に強く、水彩画におすすめです。
素材の違う水彩紙、セルロース100%の「AQUAPAD」とコットン100%の「FONTAINE」を使って描き心地を比べてみました。
細目に近い中目なので、細かいタッチにも使えて、水彩色鉛筆とも相性が良く、
紙色は温かみのあるナチュラルホワイトです。
吸水性に優れていますが、絵具の吸い込みスピードは他素材に比べてゆっくりな点が特徴です。紙の上でにじみを作りやすく、水彩らしいウェットオンウェットの技法が取り入れやすいです。
水彩境界(絵具の水分量が多い時、絵の具が溜まって縁取りのようになること)はなめらかで、にじみ具合は優しい印象。
乾いた後のにじみ具合は他素材と少し違い、和を感じさせる独特な風合いの仕上がりに。
また、「BAMBOO」は厚みもあるので、水彩画だけでなく、アクリル、インク、鉛筆、木炭、墨汁など様々な画材を混ぜて描くミックスメディアに適しています。
ABTを水筆で伸ばすと、まるで絵の具で描いたかのようになめらかな印象に。先に描いた線はほとんど分からないほど。(使用する色によって線が残る場合があります。)
パッド派?リング派?
「BAMBOO」には綴じ方が2種類(パッドタイプとリングタイプ)あり、シーンによって使い分けることができます。
<パッドタイプ>
一辺を糊留めしているため、一枚ずつきれいにはがすことができ、紙全面を余すことなく使えるのが最大の特長。
絵を描いた後にスキャンしやすく、トレース台で下書きをするときにも使いやすいです。
サイズは水張りをしても広々と画面を使えるA4サイズと、ちょっとした絵を描きたいときにちょうどいいA5サイズの2種類です。
<リングタイプ>
ダブルリング綴じのスケッチブック。
15cm×15cmのコンパクトで持ち運びやすいサイズ、かつ裏表紙の台紙がしっかりしているため手に持ったまま絵を描くことができ、野外スケッチなどに便利です。
紙は裏表どちらもサイジングが施されているため、見開きで使って横長な絵を描くこともできます。
クリスマスにぴったり!オーナメントメッセージカードの作り方♪
もうすぐクリスマス!今回は水彩紙を使ってクリスマスツリーにオーナメントのように飾ることができるメッセージカードの作り方をご紹介します。
【用意するもの】
・厚手の紙(水彩紙 今回はBAMBOO パッドタイプA5サイズを使用)
・ABTや色鉛筆
・ハサミ
・穴あけパンチ
・リボン
① 紙を半分に折り、作りたい形を描きます。
半分に折り、折り目をしっかり付けて、好きな形を下書きします。
今回はクリスマスブーツを描きます。他にはクリスマスを演出する星やツリーなども。
折り目部分で繋がるように下書きをしておかないと、切り抜いたときにばらばらに分かれてしまうので注意!
② 紙を開き、下書きした線よりも大きめに色を付けます。
表になる面(下書きした面)に下書きより大きく色を塗ります。
ABTで塗った上から水筆で伸ばしてぼかしたり、クリアファイルにABTを塗り広げ、霧吹きで水をかけた後に紙に押し付けて色同士を混ぜ合わせる「スプラッシュ」テクニックを使ったり、広い範囲を簡単に塗ることができます。
※ワンポイントアドバイス
広範囲を水筆などで塗り広げる場合、紙が水でたわみやすくなるため、BAMBOOなどの水彩紙や厚い紙を使うことがおすすめです。
③ 乾いた後にもう一度半分に折り、下書きの線に沿ってカットします。
➃ 表面や開いた内面にメッセージを書きます。
クリスマスプレゼントに添えたいメッセージなどを自由に書きます。
⑤ パンチで穴をあけて、リボンを通します。
穴をあける位置やリボンの種類によっても、様々なバリエーションを作ることができます!
完成!
ツリーに飾ったり、プレゼントのアクセントにしたり。
かわいいメッセージカードの出来上がりです。
クリスマスだけに限らず、メッセージやカードの形を変えることでいろいろなシーンで使えるレシピです。
ぜひこのレシピを参考に、世界に一つだけのオーナメントメッセージカードを作ってみてください!