美しい文字を手書きする手法として知られているカリグラフィー。中でも、カッパープレート体を元にしたモダンカリグラフィーは「誰でも気軽にできる」と話題です。ポイントは、文字をきれいに見せられるだけでなく、文字の中に自分らしさを表現できること。
最近では、カラー筆ペンなどが身近で手に入りやすいので、これから始めたいという方にもおすすめ。書けば書くほど楽しくなるモダンカリグラフィーについて、詳しくご紹介します。
モダンカリグラフィーとは?
カリグラフィーは、おもにアルファベットの文字を美しく整えて書く手法で、その歴史は古く、古代ローマ時代にまで遡ります。まだ、印刷技術がなかった時代に考え出されたともいわれていて、その後長い時間をかけて数多くの書体が生み出され、決まりも定められたのです。
モダンカリグラフィーとは、そういった決まりも大事にしながら、書く人ならではの個性を自由に表現できる手書きの文字のこと。自由度が高く、単に美しい文字を書くことにとどまらず、アート的な側面も持ち合わせた文字といっても良いでしょう。
トラディショナルカリグラフィーとモダンカリグラフィーの違いは?
モダンカリグラフィーに対して、トラディショナルカリグラフィーという言葉もあります。
トラディショナルは「伝統的な」という意味。モダンカリグラフィーが登場するまでのカリグラフィーを指す言葉で、字の形・文字と文字の間隔や高低差、傾き具合など、書体ごとに美しく見せるための決まりがあり、その決まりにそって書くことが求められます。
一方のモダンカリグラフィーは、美しい文字としてのトラディショナルカリグラフィーの基本を踏襲しながら、もっと自由な文字。間隔や高低差など、自分のセンスを生かして書くことができます!
例えば、「hello」という文字を書いたとき、トラディショナルカリグラフィーの場合は誰が書いてもほぼ同じものに。モダンカリグラフィーの場合は人によってはまったく違う文字になる場合も。
さっそくモダンカリグラフィーを始めよう! 必要な道具とは?
カリグラフィーをするためには、紙、インク、ホルダー(ペン軸)、ペン先が必要です。
ホルダーには、軸の延長上にペン先を取りつける「ストレートホルダー」と、軸からずれた位置にペン先を取りつける「オブリークホルダー」があります。
オブリークホルダーは、ストレートホルダーに比べると、傾きのある文字を書きやすいという特徴がポイント。ただ、ペン先の位置と軸がずれているので、慣れるまでは使いにくさを感じることも。
また、ホルダーとペン先は別売りです。ペン先はとがったものから平たいものまで種類豊富で、柔らかさも各社で違います。まずはいくつか購入し、自分にとって書きやすいものを探すところからはじめましょう!
ですが、初めてカリグラフィーに挑戦する方にとっては専用の道具を用意すること自体、ハードルが高いと感じてしまうことも。そういうときには、手軽なブラッシュペン(筆ペン)を使ってみることも方法のひとつ。『ABT』や『筆之助』などのカラーペンなら、モダンカリグラフィーにぴったりです◎
ABTは細字と筆を組み合わせたツインタイプのペンです。しなやかなブラッシュ芯は、細くも・太くも自在に描くことができます。カラーラインナップはなんと108色。好きな色をいくつか揃えておくと、イメージをふくらませながら文字を書くことが楽しめそうです。
筆之助は、筆圧のコントロールがしやすく筆文字が気軽に書ける筆文字サインペンで、顔料インクなので耐水性、耐光性があることが特徴。発色のよい鮮やかな10色のラインナップ。
なお、紙とインクには相性があります。相性があまり良くない場合には、インクがにじんでしまうこともしばしば。試し書きをするか、初めのうちはいろいろな紙を少しずつ購入し、手持ちのインクやペンに合ったものを探してみてくださいね。
モダンカリグラフィーはどう練習すればいい?
モダンカリグラフィーは、解説本、練習帳を兼ねた本、動画サイトなどを利用すれば、自分で学べ、独学でもライフスタイルに合わせて勉強できる点がメリット。
ただし、独学の場合、自分の書いたものにアドバイスをもらうことが難しいため、どうしても上達までに時間がかかってしまうことも。
何事も基本は大事。モダンカリグラフィーも、ペン先の角度や筆圧のかけ方など、簡単そうに見えてポイントがあるので、できれば最初はカルチャースクールの講座やワークショップなどに参加し、基本的な知識や技術を教わるのもオススメです!
わからないことがあればすぐに質問できますし、コツさえつかんだら、あとは自分のペースでも大丈夫。ひたすら練習して、上達していきましょう。
『はじめてのブラッシュペン中心の入門書』のご紹介
トンボのFUN ART STUDIOが監修した、ハンドレタリングを取り入れたライフスタイルの提案から、プロのアーティストによる書体、フレーズの書き方まで、たっぷりご紹介した本『カジュアル ハンドレタリング ライフ』。
本誌は、ハンドレタリングアーティストと協力し作成。基本的な書体と書き方に加えて、ハンドレタリングアイテムの具体的な作り方も写真で詳しく紹介。書体の練習用にダウンロードして使えるガイドシートもあります。
この記事を読んでモダンカリグラフィーに興味を持った方におすすめの本です。ページをめくりながら、ぜひハンドレタリングの楽しさを実感してみてくださいね!
デジタル全盛の時代ですが、メッセージカードや年賀状などに自分らしい美しい文字を書き添えることができたら、とてもステキです。ABTや筆之助など、手軽に始められる道具からチャレンジしてモダンカリグラフィー、ハンドレタリングを楽しんでください。
本記事のレタリングは Hideya MOTO
(byトンボ編集室)