メッセージカードや手帳などの見出しを書いていると、文字をひときわ引き立たせたい時がありますよね。今回は「飾り罫」で文字を華やげる方法をご紹介したいと思います。
●「飾り罫」とは?
文字や図などを囲ったり、区切ったりするための線を「罫線」といい、「飾り罫」とは装飾を施した罫線になります。
飾り罫のデザインは、幾何学的模様から動植物のイラストまで様々なものがありますが、基本は罫線と同様、文字を囲んだり、区切ったりするものなので、まずは罫線を引くイメージで描いていきましょう。
●ドロップアレンジを使ったカンタン飾り罫
まずはベーシックな飾り罫。ドットや波線など、シンプルな図形や線の繰り返しを用いて罫線に装飾性を持たせます。
ここではABTのブラッシュ芯の「ドロップアレンジ」手法を使って、飾り罫をデザインしていきましょう!
・ABTの「ドロップアレンジ」とは
水性カラーペン『ABT』のブラッシュ芯を画用紙に押しつけると、その跡が滴のような形になり、これを〝ドロップ〟と呼んでいます。ドロップの大きさや長さは、筆圧などによって変化させることもできます。このドロップを組み合わせながら色々なデザインの飾り罫を描いてみましょう。
・キレイに描くコツは、目印の線を描いてその上をドロップしていく
色鉛筆などの目立たない色を使って目印の線を描いておけば、位置を揃えてドロップしやすくなります。複数の色のドロップを組み合わせるときは明るい(薄い)色からつけていきます。
・飾り罫を枠にしてみよう
つぎは飾り罫を枠状にして、文字を囲んでみましょう!
・マスキングテープを使ってドロップの形を変えてみよう
マスキングしてドロップすれば、滴の形を部分的に利用することも。
・ドロップとドットマークを組み合わせてみよう
『プレイカラードット』は、丸型のマークがスタンプできるペンです。ABTの滴型とプレイカラードットの丸型を組み合わせれば、飾り罫のバリエーションがさらに広がりそうですね。
●ドロップアレンジを組み合わせたボタニカルな飾り枠
続いて今度は植物をモチーフにした飾り罫を描いていきます。
・シンプル蔦風のデザイン
まずはベーシックなデザイン。茎と葉で構成された蔦風の飾り罫を描いてみましょう。細芯で茎部分を描き、葉に見立てたドロップを茎に沿ってつけていくと、蔦風の飾り罫になります。
軸となる線を波打たせたりすると、蔦のはうイメージがより強くなりますね。描くのに慣れてきたらフレーム状にしてみましょう。
・カジュアルなリース風デザイン
下の例のように、葉っぱや茎をベースラインから少しはみ出ていくように描いていくと、カジュアルなリース風デザインになります。このタイプのデザインはバラつきやすいので、はみ出させる枝や葉の部分を予め目印に描いておくと、枠のバランスを崩さずに描くことができます。
・所々に花のイラストを描いて枠を華やかに演出する
蔦風のデザインに慣れてきたら、所々にお花を添えてデザインにアクセントをつけてみましょう。
お花を入れる位置を予め決め、余白を確保してから葉っぱをドロップすると、間隔がキツキツにならず、自然な仕上がりになります。
・プレイカラードットでアクセント
プレイカラードットを使って、実や房状の花を表現してみました。
・花をメインにしたデザインのフレームを描いてみよう
今度はお花をメインにしたデザインの枠を描いてみましょう。この場合はまずお花を描き、その間のスペースを葉っぱで埋めていきます。花も少し大きめに描くことで、花がぐっと引き立ち、花輪のようなデザインになりますね。招待状やお祝いメッセージなどで豪華に飾りたいときに活躍しそうですね。
全体をぐるりと囲まず、上下や左右の1,2箇所に花をまとめると、花にボリューム感がでて、より印象的に。
・アレンジ ブーケ風
お花のイラストに一段とこだわりたいときは、文字で花を囲むデザイン。文字を枠として利用するのも面白いですね!小さめのカードに描く時などにオススメです。
色鉛筆で下のような感じで下絵を描いています
・(応用)ペールカラーを地紋のように使うのも
枠内にランダムに模様を入れて地紋風に。重ねた文字が読みにくくならないように模様にはペールトーンのカラーを使います。
●筆之助を使ったアンティーク風な飾り罫
波形や渦巻き型の線を組み合わせたクラシック風の飾り罫。リボンのようにも見えますね。古い洋書や看板などの装飾でよく見られるデザインです。この飾り罫は、滑らかなカーブや線の強弱がポイントなので、筆之助のような線の太さを描き分けられるペンが最適です。まずはカーブの基本的な描き方を紹介します。
華やかに見せるコツは、カーブのラインに太い部分と細い部分を交互につくり、メリハリを大きくつけること。筆之助で筆圧をコントロールしながら再現してみましょう!
・左右対称の飾り罫
上下や左右対称の枠は、飾り罫のデザインが複雑になるほど描くのが難しくなります。
そこで片方のデザインを反転させて転写し、下絵にする方法を紹介します!
・トレペを使った左右反転の転写方法
・ドロップを加えて表現をより豊かに
カーブのデザインにドロップの装飾を加えてみましょう。
・(応用)『筆之助しなやか仕立て パステル』でクラフト紙や色画用紙に描いてみよう
筆之助パステルカラーは、色の濃い紙にも鮮やかな色で描くことができます。黒画用紙を用いれば、黒板風のメニュー表といった用途でも重宝しそうですね。
黒い画用紙にもしっかり描けます。
クラフト紙に描くとこんな感じ。
色画用紙にも描くことが出来ます。
筆之助パステルは、鮮やかかつ発色の良いインクなので、文字や線の縁取りに使って引き立たせることもできます。また、インクと同系色の画用紙に描けば、透かし模様のような効果に。
光の当たる角度によって見え方が変わるので、手にしたときのプレミア感がアップ!
色画用紙を貼り合わせて、より凝ったデザインに。
・黒などの濃い色の画用紙に描くときのコツ。
濃い色の画用紙に描くときは、まず軸になるラインを描き、インクが乾いて色がくっきり出てきたら、装飾のラインを描き加えていくのがポイント
●(付録)色々な飾り罫でメッセージを華やげよう!
ドットや滴型といったシンプルな形でも、組み合わせることによって、植物をはじめとした様々な紋様を作ることができます。ドロップアレンジによる植物の描き方は、以前の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてくださいね。付録は渦巻き飾り罫のバリエーション。筆圧や角度などの描き方次第でカーブのニュアンスが大きく変わるので、筆之助を使って色々試してみましょう!