2023.11.1
液体のりでイラストをエンボス風に加工してみよう
紙の貼り合わせや、工作などでもお馴染みの液体のり。今回は液体のりを使って手軽にできるイラストデコレーションを紹介したいと思います!
●かんたんエンボス風加工
今回使用するのは『アクアピット』。ピットシリーズの液体タイプのりで、塗り口はラバー製の平面塗り口と、細かいところにも塗りやすいノズル状の「細塗り口」もついたツインタイプになっています。のりが水のように透き通っているのも特徴的ですね。ここではこの透明感を活かしながら、描いたイラストにエンボス風の加工を施します!
●ドットを描いて、のりでぷっくりさせてみよう
液体のりは、のりを厚めに塗ると、乾いたときに余分なのりの樹脂が塊となりますよね。この性質を利用して、描いたイラストに厚みをつけていきます。まずはシンプルにドットを描いて、のりで加工してみましょう。手順を追って説明していきます。
1.紙にドットをつける
ドットはスタンプ芯を備えた水性マーカー『プレイカラードット』を使って描いています。
2.描いたドットの上にのりを垂らす
↑ドットからはみ出さないよう注意しながら、ゆっくりと少しずつ垂らすのがポイント。のりの量を増やすほど厚みが増しますが、乾く時間が長くかかり、水玉も崩れやすくなるので注意。
↑こんな感じで水玉のようになりました。形が崩れないように、水平の状態のままのりが乾くのを待ちます。
時間が経つにつれて、のりとインクの色が混ざり合い、なじんでいきますね。
2〜3時間ほど経つと、水玉になっていたのりの水分が蒸発し、のりの樹脂部分だけが残っていきます。水玉の形からおはじきのような形になってきましたね。
のせたのりの量と、乾かす場所の気温・湿度などにもよりますが、多めののりの場合でも、6時間〜半日ほど置いておけばしっかり乾いて、触っても型崩れしなくなります。乾き具合は見た目だけではわかりにくいので、経過チェック用のものを、余った紙に同様にのりを垂らし、同じ場所に置いておけば、乾いたタイミングを確認することもできます。
3.完成!
ドットを組み合わせて模様にし、同じようにのりを垂らしてみましょう。
乾燥の過程で水玉が少し外側に広がるので、ドット同士をくっつけたくないときは、水玉の間隔に余裕を持たせておく。また、違う色のドット同士を近づければ、のりの水分でインクが混ざり合い、様々な色合いに。
↑乾くとこんな感じに。メッセージカードのフレームなどにオススメです。
この要領で、今度はイラストを描いてのりで加工してみましょう。
●耐水性インクと組み合わせる
水性インクで描いた部分は、のりの水分で色が混ざり合いますが、筆之助などは耐水性のインクペンなので、のりをのせてもインクがにじまず、描いた線や塗りをしっかり残すことができます。
↑プレイカラードットで顔の輪郭を描き、筆之助カラーのブラウンで髪の毛、墨色で顔を描きました。
↑描けたイラストにのりを垂らします。耐水性の筆之助で描いた部分はにじまずしっかり残っていますね!
↑乾ききるとこんな感じに。イラストに光沢と厚みが加わりました。色々なイラストを描いて、のりでコーティングしてみましょう!
のりが乾くと…
↑こんな感じに
のりの透明感で、塗った色がみずみずしい色合いになります。
続いて、ABTと筆之助の組み合わせ。のりの水分でABTで塗った部分が水彩の様ににじんでいきます。
↑筆之助で主線を描き、塗りはABTで
↑主線からはみでないようにのりを垂らします。
↑輪郭の内側がぷっくりと膨らみます。
●クラフト用紙のなどの画用紙でも
クラフト用紙などに描いたイラストに加工するのもオススメ。
水性ペンで茶色い画用紙に描く場合、紙の色でインクの色が暗く見えてしまいますが、この方法だと、インクがのりと混ざり合い、クラフト用紙に染みこみ切らない状態になるので、色味は直に描くよりも明るく(鮮やかに)なります。
【活用】封筒などにイラストを描いてシーリング風加工に
便せんやポチ袋などの封シール風に。封筒のフタをのりづけしたら、合わせ目のところを装飾してみましょう!
↑まずは、封筒のフタののりづけ。のりの量が多いと、封筒がのりの水分でたわみやすいので、必要な量だけを塗ります。細かいところが塗りやすく、のりの量も調節しやすい細口側を使うと便利。
↑フタを貼り合わせてのりが乾いたら、ペンで合わせ目のところにイラストを描きます。
↑描けたイラストにのりを垂らして、乾かしたら封シーリングの完成!
メッセージのテーマに合わせたイラストを描けば、封筒を開ける時のわくわく感も増しそうですね!
挑戦してみたいけれど、イラストを描くのがちょっと苦手…という方は、別の記事でプレイカラーやABTを使ったかんたんイラストの描き方を紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
■のりをきれいに乗せるコツ
垂らしたのりに気泡が入ると、形が崩れやすいので、容器中ののりに入っている気泡はできるだけ取り除いておきましょう。ここでは主に細口を使うので、フタをしっかり閉めて、細口側を下にしておくと、細口側にあった気泡が上がっていきます。ボトルスタンドなどを利用すれば常に気泡を上げておくことができます。
また、アクアピットは補充式。たくさん描いて加工するときなどには大容量の補充用を用意しておくと便利で経済的です。
■ポイント
のりは完全に乾くと、指や爪で押しても凹まないくらいにしっかり固まりますが、のり自体は水性タイプなので、水濡れは苦手です。ちょっとした湿気程度なら大丈夫ですが、加工した作品が水浸しになるようなシチュエーションは避けてください。
●さいごに
混ざり合う色合いや、乾いたのりのぷっくり感は、乾く過程でどんどん変化していきます。どんな完成イメージになっていくのか眺めながら楽しんでみてくださいね!