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ABTで水彩風のゆるい夏イラストを描いてみよう

アーティスト・プロフィール

カラシソエル

こんにちは。

イラストレーターのカラシソエルです。

 

6月からFun Art Studioのパートナーに加わり初の記事です。

みなさん、よろしくお願いします!

 

私は毎日SNSでゆるいイラストを投稿しています。

この記事では私のイラストの描き方を紹介しようと思います。

 

アナログイラストではよく水彩絵の具を使いますが、ABTを使うと気軽に鮮やかな水彩塗りが楽しめます!

 

 

●使う道具

 

 

1. クリアファイル

場所を取るのが気になるのでカットしてありますが、大きいままでもOKです。

 

2. ティッシュ

何枚かあると便利です。

 

3. 画用紙

塗る面積が大きいときは水に強い水彩用がおすすめです。

試し塗り用としても何枚かあると便利です。

 

4. ABT 845 / 885 / 249 / 126 / 195 / 131

今回は夏らしいハッキリした色をメインに使います。

 

5. 水筆 WATER BRUSH 小筆

 

6. 筆之助 しっかり仕立て

 

 


 

●線画を描く

 

 

筆之助で線画を描いていきます。

筆之助は顔料インクなので後で水筆で重ね塗りしても滲みません。

しかも筆圧を調整するとかなり細い線から太い線まで1本で描くことができる優れもの。

 

ゆるいイラストは多少おかしくなってしまっても気にしないので下書きはしません。

その時々の思いつきや、“戻る”ができない緊張感がを楽しみます!(うちわを持っている腕はどうみても長いです)

 

 

こんな感じにできました。

熊のような生き物がだら〜っとスイカを食べています。夏といえばスイカ。

 

 

メインの部分が描けたら次に小物を追加します。

 

 

食べ散らかされたスイカの皮…。

 

 

次に、今回のイラストの第2の主役となる大きなスイカを描きます。

 

 

ここでスイカの上部分は線を描かないのがポイントです!

瑞々しいスイカの質感を表現したいので黒い線は省略します。

後でABTで塗ることで境界線が生まれます。

 

 

 

スイカの皮の模様を描きます。食べ散らかしの皮にも忘れずに。

 

 

 

かなりスイカっぽくなりました!

これで線画はほとんど完成です。

 

 


 

●色を塗る

 

 

まずはスイカを塗ります。ABT 845と885を使います。

845の赤に885のオレンジ寄りの色を足していくイメージです。

まずはクリアファイルにきゅっきゅっと塗りつけます。

 

塗ると素材に弾かれてすぐにインクが小さくなります。

 

 

大きなスイカも塗るのでインクをたくさん作ります。

 

 

まずは水筆をぎゅっと握り水滴を落とします。

 

 

 

水滴を伸ばしながらインクを回収していきます。

クリアファイルの上半分845、下半分に885というように塗ってあるので、どちらからどれだけ拾うかで色合いを調整します。

 

 

 

試し塗りをしてイメージ通りの色になるまで調整します。(楽しい)

オレンジ要素のある強めのピンクという感じの色を目指します。

 

 

 

気に入った色ができたら小さいスイカから塗ってみます。

右のクマっぽい生き物が持っているスイカが側面まで赤くなっていますが、これでいいんです!後ほど説明します。

 

 

 

次に大きなスイカを塗ります。

今度は面積が大きいので先に塗るエリアを水で濡らします。水彩のウェットインウェットという技法です。

まずぽたぽた水滴を落としておいて、それを伸ばします。

※綺麗な水だとどこを濡らしたか見えにくいので、少し色をつけています。

 

 

 

水滴を置きすぎて水溜りができてしまったらテッシュで吸い取ればOKです!

 

 

 

画用紙がしっとりとしたら先ほど作ったインクを水筆に吸わせて、ちょんちょんと色を置くようにして塗っていきます。

紙が湿っているのでじわ〜っとインクが広がっていきます。

スイカは中心ほど赤いので、上部分を濃くするイメージで色を置きます。

 

 

濃くしたい部分は、インクを筆で拾う→ちょんちょんと色を置く、を繰り返します。

 

 

 

スイカの塗りが完成です!

右の生き物が持っているスイカは、大きいスイカから切り出された部分だったのです!(だから側面も赤い)

 

 

ABT 131でスイカの皮の断面を塗っていきます。

 

 

 

赤い部分と黄緑の間の白い部分を残すのがポイント。

隙間なく塗ってしまうとスイカっぽさがなくなってしまいます。

 

 

 

落ちている皮にもしっかり塗ります。

 

 

 

黄緑を塗り終わる頃に、大きなスイカの塗り部分が完全に乾いたので断面を塗っておきます。

先ほど作ったABT 845+885のインクを水で薄めて塗ります。

 

 

 

同じ色を食べ散らかしの皮にも。

 

 

 

次はスイカの皮を塗ります。ABT 195、126、249を使います。

 

 

 

195をベースに、126で黄緑要素を追加、249でトーンを落とすイメージです。

249はかなり暗い色なので少し混ぜるだけで暗くなります。慎重に。

 

 

 

先ほどと同様に気に入った色になるまで調整していきます。(楽しい)

主役はスイカの赤なので、少し落ち着いたグリーンにしようと思います。

 

 

 

色ができたらそのまま塗っていきます。

1. 薄めに塗る

2. 筆で濃いめのインクを拾う

3. 湿っているうちにちょんちょんと色を置く

というステップで塗ると濃淡のムラができていい感じになります!

 

影になっていそうなところに暗い色を置くと立体感も出ます。

 

 

 

食べ散らかしの皮にも…。

 

 

これで色塗りが完成です!

 

 


 

●仕上げ

 

 

最後に細かい部分を描き足して仕上げていきます。

赤い部分が乾いていることを確認したら、スイカの種を筆之助で描き込みます。

スイカの球体の中心に対して放射状に並んでいることを意識して描きます。

 

 

 

種の食べ散らかしも描くとだらしなさが倍増しますね!

 

 

持っているうちわと上の空間が寂しいので描き足していきます。

うちわにはダイレクトに「夏」とか書いてみます。

 

 

ABTはブラシなので筆文字もさっと書けるのが便利です。

 

 

 

より夏っぽくなりました!

 

 

最後は上の余白。タイトルを入れるのにちょうどいいスペースなので大きな文字を入れてみます。

「M」を丸くしてみたり、書体を変えたりするとタイトル感がでます。

 

 

ここまでイラストを仕上げてからの文字入れなのでかなり緊張します。

バランスよく書けるか、スペルミスをしないか…、そもそもこの文章でいいのか…。

あえて下書きをしないことで、アナログ特有のスリルを味わうことができます。

 

今回は右で文字を揃えたかったので「SUMMER!」を書いてから「e→m→o→c」と書いて、最後に「has」を書きました。

 

 

 

完成!

 

 


 

●まとめ

 

いかがでしたでしょうか?

普段はこんな感じでゆるいイラストを描いています。

 

乾いてみると思っていたより濃淡が出た、とか

うっかり隣の色と混ざってしまった、とか

予測不能でコントロールしきれないところがアナログ画材の面白さのひとつだと思います!

 

ABTは発色が良く混色もきれいに仕上がるので、そういった想定外の部分もいい感じになります。使う道具が少なくてお手軽なところも◎

 

夏を感じるスイカのイラスト、ABTで試してみてください!

 

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