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【FUN ART LOVERS】Vol.15 光宗 薫
絵が好きというよりは「絵がないと困るタイプ」の人です。

大人気のカルチャーバラエティ番組『プレバト!!』で、水彩画、鉛筆画など数々のアート作品を生み出している光宗薫さん。圧倒的な画力で感動を巻き起こしている光宗さんですが、実は絵に救われた一人です。小さな頃から周囲になじめなかった光宗さんが、絵によって居場所を見つけ、“FUN ART”の境地へ至るまでの想いを語っていただきました。

 


 

――今日はABTを光宗さんに使っていただくのを楽しみに、あれこれたくさんお持ちしました。

 

光宗薫さん「わぁ!すごい。なんですか!この絶妙な色味は。あーーー、好き!」

 

 

――ABTの画材としての魅力はいかがでしょう?

 

光宗薫さん「すごく描きやすいですね。筆先のやわらかさがちょうどいいです。筆のように強弱がつけられるのに、ラインが乱れたりしない。まるで形状記憶の高価な筆を使っているようです。先端が細くて長いので、細密な部分がペン先に隠れなくて書きやすいです」

 

 

――色のトーンや発色はどうですか?

 

光宗薫さん「色の違いがそれぞれとても繊細ですね。すごいな…。輪郭がきれいに出るし、グラデーションをつけるときは、思い切って濃淡の落差が大きい色を選ぶと使いやすいかも。一度引いたラインに継ぎ目が重なっても、色が濃くなりすぎないところもいいですね。ペンは塗り重ねると跡が出がちですが、このペンだと色を均一なままで保てます」

 

 

――いつもさまざまな画材を使いこなしている光宗さんならではの感想ですね!

 

光宗薫さん「画材によって、色の出るところが紙にどう当たるかの感覚をつかむまでが、けっこう大変なんです。私は美術をちゃんと学んできたわけではないので、プレバトで初めてさわった画材というのも多くて(苦笑)。いつもぶっつけ本番、描きながら使いこなしていく感じですね」

 

「プレバト」作品より。「東京都中央区日本橋」のお題で描き上げ、満点を獲得した一枚。

 
――それなのにあの圧倒的クオリティ…。信じられません。

 

光宗薫さん「お題と画材と時間が決められているというのは、いい経験になります。いつもは自分の好きなものを、好きな画材で、好きなだけ時間をかけて描いているので、マラソンと短距離走くらい違う競技をしているみたい。ボールペン画は、毎日描いても2カ月くらいは普通にかかりますから」

 

2カ月間描き続けたボールペン画作品。『続・虹色伝説 海(仮)』。吸い寄せられそうな密度は圧巻!

 

――2か月! 気が遠くなりそうです。

 

光宗薫さん「私、他にしたいことがないんです(笑)。家に帰るイコール絵を描くという感じ。眠くなるまで描き続けて寝る、朝起きて絵を描いてお仕事に行く、その繰り返しです。最近引越しをしたんですが、テレビも置いていないですし、マンガもすべて手放して、物理的に絵だけに集中する環境にしています。それがすごく心地いいんですよ」。

 

 

――作品でお部屋があふれかえりそうですね。

 

光宗薫さん「個展に向けて描きためているときはそうですね。でも、絵はほとんど個展で販売するので、時間をかけて向き合ってきた作品たちとは、やがてお別れです。手放すのは脱力するほど悲しいことなのですけど、そこもまたいいというか…。別れがある、人間と近いところがいいなあ、と」

 

 

――デジタルだとデータは残りますが、手描きはそうはいきませんものね。

 

光宗薫さん「場所は取るし、永遠じゃない。デジタルと違って融通が利かないところが、手描きの愛せるところ。アナログの良さって、人と人みたいに、その場に相手がいるということだと思うんです。原画を見ると、描いた人の緊張感や筆圧が伝わってきますよね。ボールペン画は特に、スキャンをすると陰影がなくなってしまう。でも、そのなくなった部分が一番大変なところだったりして。そういう融通の利かないところが良さかなと」

 

 

小さい頃からずっと
絵は私の“逃げ場”だった。

 

――こんなに素晴らしい絵を描かれる方なので、てっきり光宗さんは美校や美大で学ばれたと思っていました。17歳で「神戸コレクション」のモデルとしてデビューされ芸能界に入られましたが、絵を仕事にしようと思ったことはなかったのですか?

 

光宗薫さん「絵を仕事にしている人は、基本、絵が好きでしょうがないという人が多いんじゃないかと思うんですよね。私にとっての絵は、昔から“逃げ場”だったんです。人と喋りたくない、関わり合いたくない、勉強したくないから絵を描く。学校に行きたくないからゲームばかりする、というのに近いです。なので、絵ばかり描いてる私はダメな人だなと、ずっと思っていました」

 

 

――「昔から」とは、どのくらい前からのことですか?

 

光宗薫さん「覚えている限りでは、幼稚園のころ。クラスになじめなくて部屋のすみに立ったままで、休み時間は部屋を出て園長先生の膝の上に座ってずっとお絵描きをしていました。でも、描いた絵は先生には見られたくないんです。だから、小学2年生くらいまでずーっと、左手で絵を隠しながら描いていました」

 

 

――ちょっと待ってください。意外すぎてびっくりです。

 

光宗薫さん「小学2年生のとき、クラスの中心的な男の子が私の絵をほめてくれて。あ、私の初恋の人なんですけど(笑)。おかげでやっと絵を隠す癖はなくなりましたが、美術の道なんてまったく考えられませんでした。学校では、授業や周囲からの逃避で絵ばかりひたすら描いていて、絵はむしろ“いけないもの”だと思っていました」

 

 

――そこから芸能界というのは、これまた振り幅のある選択ですよね。

 

光宗薫さん「高校に入ってすぐ1週間だけ通ったあと、不登校になりました。そのときに『あ、私は社会のレールに乗れないな』って自覚したんです。だったらいっそすごく突飛なことをしてみようと、“変わったバイト”と検索してヒットしたメイド喫茶で働いてみたり、自分を変えてみたくてオーディションに応募したことで、有難いことに神戸コレクションでの受賞やAKBへ加入することができて上京しました。」

 

 

――そこからどうやってボールペン画にたどり着くのですか?

 

光宗薫さん「AKBを辞めたあとの19、20歳の頃、実家の一室で、完全なるひきこもりとして暮らしていました。家族とも顔を合わせない、テレビを遠ざけ携帯も解約して、人間をあまり感じないようにしていました。ただ、何もすることがないので、身近にあった文房具で絵を一枚完成させてみようと思ったのがボールペン画のきっかけです」
 

ボールペン画作品『刑天』


 

――そんな経緯でボールペン画に…。

 

光宗薫さん「一枚絵を描き終えると、そのときだけは自己肯定感が上がるんです。よくやったな!自分!って。当時は自己肯定につながることが絵を描くことしかなかったので、とりつかれたように描いていました。人生で一番描いた時期かもしれません」

 

 

――ずいぶんたくさんの作品を作られたのでしょうね。

 

光宗薫さん「どんどん溜まっていく作品を人前に出したらどうなるんだろうと思いついて、大阪で初めて個展をやりました。『スーパー劣等生』というタイトルの個展で、ほぼボールペン画のみ。その個展が、人生で最初に自分でやった“すごいこと”でした。それまでの日々は、ちゃんとできていないという想い、劣等感しかなかった。でも個展は初めて“できた”と思えました」

 

 

 

 

――初めての達成感。聞いているこちらがなんだか涙が出そうです。

 

光宗薫さん「ただ、体調が戻って芸能の仕事に復帰しても、当時はまだ波があって、よくない時期に入ると休んで絵を描くという流れの繰り返しでした。それが24歳になったある日、“逃げ場所を居場所にできたらどれだけ気持ちが楽だろう”って、ふと思ったんです」

 

 

――逃げ場所を、居場所に。

 

光宗薫さん「それで、アーティスト活動がメインにできるような動き方に変えてみました。そうしたら、本当に楽になりました。芸能活動が中心だった頃は、なにかこう自分に不釣り合いな、大層なことをしていると感じていましたが、バランスを変えると、力まずに暮らせて、心に余裕を持つことができました」

 

 

後ろめたい感情も、ネガティブも、
絵の世界ではプラスになる。

 

――絵が社会と光宗さんをつないでくれたんですね。

 

光宗薫さん「絵を描き始めたころは比較的ネガティブな感情をもって描くことが多かったです。ネガティブな感情って、そのままさらけ出されると周囲も困りますよね。その点、絵では、恨みつらみをも表現のきっかけにとしても絵に映して出すと、褒めてもらえることもある。それは驚きでした。」

 

 

――個展やテレビ出演でいろいろなリアクションに触れることも、いい影響につながっていそうです。

 

光宗薫さん「そうですね。個展は特に、アートに詳しい方もそうでない方も、誰もが見て楽しめる空間にしたいという思いで、場所探しからはじめ、その後は画廊の方と相談しながら自分の表現したいことを形にしています。ただ、偏愛もだんだん強くなってきていて、昆虫や難解な世界観の作品がどんどん増えています(苦笑)。

 

光宗さんが愛する蝉(オイルパステル制作)。「蝉は情報量ぎっしり」と光宗さん。配管などが密集した光景を見るのも好きだそう。

 

 

――「がずちゃん」というオリジナルキャラクターの作品もどんどん増えていますね。

 

光宗薫さん「いま『がずと巡る名画の旅』というシリーズ作品をシルクスクリーンで作っています。名画のオマージュなんですが、オマージュというのは作品への理解が深くないとできません。有名なアートを一つ一つ解釈していく面白さにもハマっています」

 

光宗薫さんの描くキャラクター「がずちゃん」。がずちゃんのフルネームはガズラー。

 

 

――作品のインスピレーションは、どんなところから受けているのですか?

 

光宗薫さん「絵を描きながら次のテーマが浮かびますね。私の絵はものすごく時間がかかるので、一枚描いているうちにだんだん飽きてきちゃう。“もう海はさんざん書いたから、次は森を描こう!”など、手を動かしながらあれやろう、これやろうと妄想しています」

 

 

――「FUN ART」という言葉から、どんなことを連想されますか?

 

光宗薫さん「評価や人の目を気にすることなく、絵を完成させること以上に、絵を描いている時間を大切に楽しむ行為が“FUN ART”という感じがします」

 

「がずちゃん」と、トンボ鉛筆・幼児用文具のキャラクター「てとたん」のコラボ!


 
――「FUN ART」を実践している方々に、メッセージをいただけますか?

 

光宗薫さん「描けば描いただけうまくなるのが、絵のいいところ。でも、絵って、無理をしてまでやるものでもないと思うんです。評価を受けるのは励みになることですが、たとえ誰かに酷評されたって死ぬわけじゃありません。ネガティブな感情がスタートでも、完全なるフェティシズムの追求でも、何を描いてもいいのがアートの特権だと思います。

 

 


Profile

光宗薫

1993年生まれ、大阪府出身。女優/アーティスト
2011年「神戸コレクション」モデルオーディションでグランプリを受賞。
同年~2012年にAKB48のメンバーとして活動後、女優やモデルなど幅広く活躍。
芸能活動の傍ら、独学で絵を描き始め、MBS/TBS系『プレバト!』での水彩画や黒板アートなどの作品が度々話題に。
2013年より、細密なボールペン画を中心に定期的に個展を開催するほか、アーティストとしても活動の幅を広げている。個展は過去3回開催しており、2013年『スーパー劣等生』、2019年『ガズラー』、2021年『メロンタ・タウタ』といずれも好評を博す。次回個展は、来春を予定。
Instagram、Twitterアカウント:@mtmnkor
@mtmnkor.artでは、おもにボールペン画の情報を発信している。

 


文/飯田 陽子
撮影/樋渡 創

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