FUN ART STUDIO

Category

ALL

FUN ART LOVERS

ALL

Vol.1 津森 千里(1)

Vol.2 鈴木 曉昇(1)

Vol.3 たなか みさき(1)

Vol.4 さわぐち けいすけ(1)

Vol.5 桂 由美(1)

Vol.6 田中 達也(1)

Vol.7 香菜子(1)

Vol.8 宮田聡子(1)

Vol.9 田村 大(1)

Vol.10 江口 寿史(1)

Vol.11 菊池 亜希子(1)

Vol.12 片岡 鶴太郎(1)

Vol.13 刈谷仁美(1)

Vol.14 奥平雄大(1)

Vol.15 光宗薫(1)

Vol.16 五月女ケイ子(1)

Vol.17 荒井良二(1)

Vol.18 大宮エリー(1)

Vol.19 森本千絵(1)

Vol.20 山本 美月(1)

Vol.21 篠原 ともえ(1)

Vol.22 サタケシュンスケ(1)

Vol.23 atsumi(1)

Vol.24 山崎 貴(1)

Vol.25 マテウシュ・ウルバノヴィチ(1)

Vol.26 大塚 愛(1)

Vol.27 長場 雄(1)

Event / Workshop

Event Report

Arts&Crafts Ideas

ALL

ペーパークラフト(54)

ラッピングアイデア(14)

カード(32)

封筒(8)

シーズナルアイデア(23)

インテリア(10)

デコレーション(3)

アクセサリー(10)

Tips

ALL

レタリング(31)

イラスト(83)

グラデーション(5)

配色(12)

Coloring(10)

DIY(16)

画像合成(1)

カード(26)

手帳・ノート(23)

フードスタイリング(2)

Others(19)

水性マーキングペン(23)

のり(7)

色鉛筆(5)

CARD TIPS

Lifestyle

ALL

イースター(2)

子どもの日(1)

サマーパーティ(2)

収納アイディア(1)

新生活(2)

バースデー(1)

ブライダル(8)

Baby(8)

ホームパーティー(2)

Download

ALL

Casual Hand Lettering Life(1)

線画(21)

ワークシート(2)

展開図(19)

テンプレート(53)

ギフトタグ(3)

ガイドシート(3)

Tools

ALL

ABT(19)

筆之助(7)

WATER BRUSH(7)

紙(8)

Others

FUNART JOURNEY

Artists

ALL

ARCH DAYS(38)

Craftie(15)

Hallmark(12)

minne(64)

Quo Vadis Japan(10)

Masaki Nakamura(9)

GREENANDBLACKSMITH(2)

Hideya MOTO(3)

satohom.39(18)

shiho sakurai(19)

Sara Gally(12)

ecribre / Ichika(11)

misaki(10)

カラシソエル(6)

Danae Lettering(5)

Yumi Imai(34)

Tomoyuki Okamoto(25)

345(1)

あゆあゆ(12)

トンボ編集室(9)

Archives

2024

10月(2)

9月(4)

8月(5)

7月(5)

6月(4)

5月(5)

4月(5)

3月(4)

2月(5)

1月(6)

2023

12月(6)

11月(4)

10月(4)

9月(6)

8月(6)

7月(6)

6月(4)

5月(5)

4月(4)

3月(6)

2月(5)

1月(4)

2022

12月(6)

11月(5)

10月(7)

9月(5)

8月(6)

7月(6)

6月(4)

5月(5)

4月(4)

3月(5)

2月(4)

1月(6)

2021

12月(6)

11月(6)

10月(6)

9月(5)

8月(6)

7月(5)

6月(6)

5月(6)

4月(5)

3月(6)

2月(5)

1月(5)

2020

12月(8)

11月(6)

10月(6)

9月(10)

8月(6)

7月(5)

6月(6)

5月(8)

4月(6)

3月(8)

2月(6)

1月(6)

2019

12月(10)

11月(9)

10月(7)

9月(6)

8月(6)

7月(7)

6月(5)

5月(4)

4月(6)

3月(6)

2月(5)

1月(2)

2018

12月(7)

Tags

Category

Archives

【FUN ART LOVERS】 Vol.4 さわぐち けいすけ
「何かを伝える人」になりたいわけじゃなく、
「何かを伝えたい人」のニーズに応えたくて。

ぜいたくな余白と、ミニマムな点と線。しぼり込まれた絵と言葉で淡々と描かれる、家庭や職場で胸をよぎる想い。特別なドラマが描かれているわけではないのに、心の奥で何かが確かに反応する。そんな漫画エッセイが多くの読者を惹きつけている、さわぐちけいすけさんが「FUN ART」する瞬間とは?

 

――さわぐちさんの漫画は非常にシンプルで、情報量も必要最小限。それなのに、パッと見ただけで共感できると言いますか、シチュエーションが手に取るように分かります。普段、どんな風に作品を創っていらっしゃるんですか?

 

さわぐちさん「創り方は毎回違うんです。始めと真ん中、終わりのセリフ3つを決めて描き始めることもあるし、終わりだけ決めて、そこに向かって描く場合もあります。

 

フィクションの場合は、わざと小さくネームを切って、手書きで下書きします。枠を小さくすると、本当に必要なセリフしか書き込めないからです」

 

 

――描き過ぎない、ということですね。
 
さわぐちさん「絵あるいは文章だけで説明できるなら、わざわざ漫画にする必要はありませんよね。
漫画は、絵の上手・下手じゃない。そう思い、1作目を描き始めるにあたって、2ページに最大2コマまでしか背景を描かないこと、人体のカタチをあえて崩すことを自分に課しました。絵を描いたことのない読者に、「自分でも描けそう」と思ってもらえるような絵で勝負したいなと。

 

大切にしているのは、絵と文章のバランスをどう取るか。ネームのことは、何をしていても、頭のどこかで常に考えています」

 
 

鉛筆とチラシの裏紙が、唯一の遊び道具でした。
 
――そのような「引き算」のコツって、どうしたら身につくのでしょうか?
 
さわぐちさん「僕の場合はやはり、たくさん書いてきたからでしょうかね。絵は、小さい頃からずっと描いてきました。両親が共働きで、おばあちゃんっ子だったのですが、その祖母が昔気質な厳しい人で。おもちゃは一切なく、遊び道具といえば、鉛筆とチラシの裏紙だけだったんです」
 

――絵を描くって、本当に、紙とペンさえあれば、無限に楽しめますものね。文章も小さい頃からお好きでしたか?
 
さわぐちさん「昔からファンタジーが大好きで。この秋、新作が出て話題になった小野不由美さんの『十二国記』シリーズは、中学生の頃から愛読してきました。伊坂幸太郎さん、東野圭吾さん、森博嗣さんのミステリーも好きです。趣味で読んだり書いたりしているのは、分かりづらくて「けっきょく何が言いたかったの?」というモヤモヤが残るような、読者を煙に巻くストーリーですね」
 

 
――ご自身の作品とは、まったく毛色が違うんですね。

 
さわぐちさん「漫画やエッセイは、もともとは苦手なジャンル。思い入れがなかったからこそ、怖いもの知らずで飛び込めたのだと思います」
 
――そもそも、漫画を描き始めたきっかけは?
 
さわぐちさん「20代半ば頃、オーストラリアに移り住んで、半年間はツアーガイドとしてめいっぱい働き、もう半年間は何も仕事をしないで、絵を描いたり、散歩したり、川でカニを採ったりして遊んでいたんですね。
 
その期間に描いてきたものを、帰国後「マンガボックス」という投稿サイトで発表し始めたところ、1ヶ月で500人以上の方々にフォローしてもらえたんです。その後、ツイッターでもフォロワーが増えていき、出版のお誘いを頂きました」
 
――最近は、作品の感想だけでなく、様々な人生相談も寄せられているのだとか。

 

さわぐちさん「はい。でも、自分は「こうした方がいいですよ」なんて答えられる立場にないですし。僕自身に何か信じているものがあって、それを伝えたいとか、導きたいとか、そういう意識は一切ありません」
 
――自分のメッセージを伝えるために漫画を描いているわけではない、と。
 
さわぐちさん「その通りです。僕にとって漫画を描くっていうのは、そんなに特別なことじゃなく、もっと日常的なことなんです。ほら、普段作る料理にも、テーマなんてないでしょう? 表現したいテーマは、僕の中に存在していない。想いが強すぎると、引き返せなくなるような気がするんです。自分の漫画で人を幸せにしたいとか、そういうのは好きじゃなくて、結果として何かを得て下さる方がいればラッキーかな、くらいに思っています」
 
――絵を描くこと、作品をつくることはなんだかハードルが高いイメージがありますが、本来は私たちも、3度の食事のように、気負わず作ったり味わったりすればいいのかもしれないですね。ところで、さわぐちさんの創作のヒントは、どこから得ているのですか?
 
さわぐちさん「本は常に読んでいます。気になった一節は、日々書き留めるようにして。歌詞から着想を得ることも多いです。あとは、舞台演劇も参考にしています。照明を効果的に使ったシーンの切り替え方など、積極的に取り入れたくなる表現技法が多いんです」
 
――なるほど。では、お仕事とは関係なく、気になっていることはありますか?
 
さわぐちさん「顕微鏡にハマっています。メダカとエビを飼っていて、顕微鏡で卵を観察しているのですが、生まれる瞬間が、どうしても撮れないんです。オリジナルのピアノ楽曲をつけて、タイムラプス動画(長時間の経過を早回しに撮影した映像)にしたいなと思っているんですが」
 
――そういえば、先ほどオーストラリアでカニを捕まえていたというお話もありました。生き物がお好きなんですね?
 
さわぐちさん「愛でているわけじゃなく、こういうときに、こういう動きするんだとか、できるだけ自然な状態を観察することに興味があるんです。人間の心も同じ。よく、感情の浮き沈みがなさそうに見られがちですが、ただ行動に移していないだけ。「どうしてこんな気持ちになるんだろう?」と、ひたすら観察するタイプなんです」

 
 
思いどおり描けなかった線こそが、
絵を引きたてる可能性も。

 
――お仕事ではペンタブレットで描かれていると伺いました。デジタルと手書きの違いについて、どう思いますか?
 
さわぐちさん「手書きの良さは、集中して描けることだと思います。紙にペンで書くときって、どうやら僕、息を止めているらしいんですよ。“ねえ、いま息止まってたよ!”って妻に指摘されて、初めて気づきました(笑)。気づかないうちに、没頭してしまっているんでしょうね。
 
デジタルは何回でもやり直しできるので、そこまで集中することはないように感じます。手書きだと、その時の心身の状態がダイレクトに反映されるのも感じますね」
 

 
――ABTも、ちょっとした筆圧の違いで印象ががらりと変わります。
 
さわぐちさん「ABTのような筆ペンは特に、瞬きも呼吸も止まるほど集中しちゃいますよね。 日常生活で、これほど集中できる瞬間って、そうそう無い。たとえ思い通りの線が描けなかったとしても、描き進めたら意外と良い絵になることもある。そこが面白いところではないでしょうか」
 

 
――さわぐちさんの作品は手描きのセリフも印象的です。とても達筆で、書道を習われていたのかと。
 
さわぐちさん「会社員時代、「30日で字が上手くなる!」みたいな本をコンビニで2冊買ったんです。本当に上手くなるのかやってみようということで、2冊で60日間スケジュール通りに、おにぎりを片手に休み時間、毎日練習しました。そしたら、本当に上手くなりました(笑)」
 
――それはすごい!
 
さわぐちさん「アートって、スポーツと同じで、基本的には技術を身につけないと楽しめないものだと思うんです。最初は線を引いたり、丸を描いたり、単調な練習の繰り返し。怠け者の自分にとっては、正直なところ9割以上が苦行です。
 
でも、コツコツ練習を重ねてイメージどおりできるようになると、すごく嬉しい。その喜びは、9割の苦行をいともたやすく吹き飛ばしてしまう。その瞬間の凝縮された喜びこそを「FUN ART」と呼ぶのではないでしょうか」
 

 


 
Profile
さわぐち けいすけ
1989年3月22日、岩手県生まれ。大学卒業後、3年間の会社員生活を経て、24歳で結婚を機に退職。東京やオーストラリアでアルバイトや絵を描くなどして数年間生活する中、気負いなく描き始めた漫画の投稿が、SNSで注目を集めるように。2017年、『妻は他人 だから夫婦は面白い』(KADOKAWA)で漫画家デビュー。4作目の書籍『僕たちはもう帰りたい』はNHK FMでラジオドラマ化も。最新刊は『妻は他人 変化の日々を夫婦で歩む』(2019年11月22日発売、KADOKAWA)。
https://twitter.com/tricolorebicol1
https://swgck.com/
 


back

Other Topics

page top